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専門技術のQ&A
Q1減圧弁の騒音について知りたい
A1減圧弁は、弁部分の絞りのためにエネルギの一部が音に変換されます。
また、液体の場合減圧比が大きいとキャビテーションが発生して、急激に音が高くなります。
病院やホテルなどで音が問題になる場合は、予め減圧弁の予想騒音を確認し、適切な対策をとる必要があります。

■対策のポイント■
1. 蒸気用減圧弁は、騒音レベルの目安を予め計算することができます。
2. 水用減圧弁は、キャビテーションを発生する減圧比を予め確認することができます。
3. 騒音対策としては、減圧弁を厚めに保温したり、部屋全体を防音材で囲むことが考えられます。
なお、配管のサポートを通して固体伝ぱんもありますので、場合によっては防振材の使用も考える必要があります。

Q2キャビテーションとはどのような現象ですか
A2キャビテーションとは、水の運動等によって圧力が飽和蒸気圧力以下に低下し、気化による空洞を生じる現象です。
この現象は、沸騰しているやかんの中をのぞくと気泡が底からわいてくのが見えますが、これと同じものです。
減圧弁の場合、減圧比が限界以上になると弁の絞り部分で急激な圧力低下が起こり、キャビテーションによる気泡が発生します。この気泡は、弁の下流で圧が回復すると崩壊して消滅しますが、このとき強い衝撃力が発生し騒音の原因となります。また、この衝撃力によって物体表面(例えば、弁座、弁体の当たり面、弁箱など)に、損傷(エロージョン)を生じることがあります。

■対策のポイント■
水用減圧弁は、キャビテーション係数を考慮して、減圧比を余り大きくして使用しないでください。

Q3中高層ビルのウォータハンマ現象の原因が知りたい
A3近年中高層ビルの特に衛生配管において、激しいウォータハンマの発生することがあります。 このような配管に共通していることは、(1)縦配管の途中に水用減圧弁が設置され、P2設定が低いこと(2)大便器にフラッシュ弁が付いていることがあげられます。
このような配管の場合、減圧弁とフラッシュ弁の距離のため、フラッシュ弁による急激で多量の水の使用に減圧弁が応答しきれないため引き起こります。(減圧弁の二次側が一時的に負圧になり水柱分離が引き起こされているとも考えられます。)減圧弁の二次側及び一次側の一方又は両方でウォータハンマが発生します。対策としてはウォー タハンマ防止器を減圧弁の入口側、出口側の一方又は両方に設置します。

■対策のポイント■
1. 中高層ビルで減圧弁を使用した衛生配管には、万一のことを考慮して減圧弁の前後に、ウォータハンマ防止器の設置用の取出口(ねじ込み3/4)を予め設けておくのが望ましい。(トラブルが発生した場合迅速に、かつ費用も安く対応が可能)
2. 減圧弁の設定は、0.15MPa程度以上とします。
3. 比較的検出穴の大きい減圧弁(当社製品、P100-2Y型、P100-X型が該当)を使用するのも有効です。
(完全ではありません。)

Q4蒸気における二段減圧方式のハンチング問題と対策について教えて欲しい
A4蒸気用減圧弁の二段減圧方式の場合、一段目と二段目の中間の配管ボリュームが十分でないと、この中間の圧力が変動して減圧弁の作動が干渉し合い、圧力が脈動(ハンチング)することがあります。
このような現象は、減圧弁の一次側に2方弁を設置したDHC方式の蒸気受入設備でもまれに発生することがあります。
根本対策としては、二段目の減圧弁を圧力変化に対して安定な構造にしたP260-DHC型減圧弁の使用をお勧め致します。
上記以外の対策としては、中間配管のボリュームを大きくする、減圧弁の弁体ばねなどを剛性の高いものにしてハンチングを発生にくくする、可能なら一段減圧にするなどの方法があります。
(いずれも十分な期待はできないことがあります。)

■対策のポイント■
二段減圧の二段目の減圧弁及びDHC方式の蒸気受入設備の減圧弁は、弊社P260-DHC型減圧弁を使用します。

Q5減圧弁の二次圧上昇(以下、P2上昇という。)についてどのようなことが考えられますか
A5減圧弁の適用流体により、次のようなP2上昇の原因が考えられます。
1. 蒸気用減圧弁
(1)スケール・ごみ障害―P2上昇の大部分はこれが原因となります。配管の錆、ボイラ水の水質(制缶剤)の成分などが、減圧弁のパイロット弁の当り面に付着し、弁漏れが多くなることによりP2上昇が引き起こされます。
また、スケールやごみにより主弁やピストンの摺動部、通気穴に付着し主弁やピストンが動かなくなって弁漏れし、結果的にP2上昇となります。近年、貫流ボイラの普及に伴い極端なスケール障害の事例が見られます。
(2)デッドエンドサービス―蒸気用減圧弁の二次側に電磁弁等の閉止弁があり、減圧弁と電磁弁等の間にトラップが設置していない配管システムをいいます。⇒Q6参照

■対策のポイント■
スケール・ごみ障害の場合は、減圧弁の分解整備が必要です。ボイラ水の適切な管理が有効です。

2. 水用減圧弁
(1)水用減圧弁のP2上昇の第1原因は、スケール・ごみ障害です。使用始めの配管内のブロー不足によりストレーナを通過した泥・砂・切粉・シールテープ等が、弁体に付着し弁漏れによりP2上昇します。また、古い配管の場合、上流側の配管のもらい錆や錆こぶの塊が弁に挟まることがあります。
(2)第2の原因は、弁体の劣化となっています。水質、長期使用及びごくまれにキャビテーション により弁体が徐々に劣化し、シール性が失われ弁漏れしてP2上昇となります。
(3)ごくまれに液体膨張によるP2上昇があります。⇒Q7参照

■対策のポイント■
P2上昇を発生した時点で減圧弁をオーバーホールします。長期使用の場合は、ゴム部品も交換します。
ゴム部品の交換は、温度、圧力、水質等により異なりますが、使用期間3〜5年を目安とします。

3. 気体用減圧弁
 気体用減圧弁のP2上昇のほとんどは、ごみ障害によるものです。
 (ごくまれに気体膨張によるP2上昇があります⇒Q7参照。)

■対策のポイント■
通気前に十分な配管のブローを実施します。また、目の細かいフィルタを設置することも有効です。

Q6デッドエンドサービスとはどのようなものですか
A6蒸気用減圧弁の弁は、金属タッチのため僅かな弁漏れがあります。この漏れは、二次側の配管の放熱によりドレン化しトラップから排出し、P2は設定値に維持されます。もしも、配管がデッドエンドサービスになっていると、減圧弁の漏れはドレン化し二次側配管に滞留し、ついには満杯になってP2上昇を引き起こします。

■対策のポイント■
デッドエンドサービスの配管を避けること即ち、減圧弁と電磁弁等の間の配管に必ずトラップを設置します。

Q7液体膨張によるP2上昇とはどのようなものですか
A7水用減圧弁は、通常弁体にゴムを使用しているため完全閉止が可能です。したがって、例えば春先などの水温と外気温の差が大きくなる季節では、日中の水を頻繁に使用している時間は問題ないが、水使用が長時間停止する夜間にP2上昇が発生し、警報の出ることがあります。これは、配管中の低温の水に対して夜間に外気の熱が入り、水の膨張でP2上昇が発生しているものです。
ある文献によると密閉配管の水温20℃、0MPaのものが、30℃で5MPa、40℃で12MPa程度になるとしています。
(配管の材料や水中の気泡の混入で異なるようです。)

■対策のポイント■
減圧弁の二次側にサーマルレリーフ弁又は膨張タンクを設置します。

Q8気体膨張によるP2上昇とはどのようなものですか
A8気体用減圧弁は、通常水用と同じく弁体にゴムを使用しているため完全閉止が可能です。しかし、次のような条件でP2上昇が発生します。
超高差圧で減圧するとき、流体が断熱膨張をするため減圧弁の二次側で流体が冷却します。減圧弁の負荷が0となり長時間経過すると、周囲の熱が配管内に入り気体が膨張してP2上昇が引き起こされます。
また、タンクシールの場合、夜間に冷えたタンクに、日中の外気温の熱が入りタンク内の気体が膨張してP2上昇が引き起こされます。

■対策のポイント■
周囲から入熱しないように、減圧弁も含め配管に十分な保温を行います。
タンクシールの場合、タンクにブリーザバルブを設置します。

Q9スチームハンマはなぜ発生するのですか
A9スチームハンマは、特にトラップに関連して次のような条件のとき発生します。
1. 熱交換器の入口側に温調弁があり、トラップの出口が立ち上がってトラップに背圧がかかっている場合、温度制御によって熱交換器内の圧力(=トラップの入口圧)がトラップの出口圧より低下すると、ドレンが熱交換器内に滞留しそのドレンが冷却します。その後温調弁が開き蒸気が熱交換器に入ると、蒸気と冷却したドレンが接触しスチームハンマが発生します。
2. 管末トラップの出口が立ち上がっていたり、U字配管になっていてドレンが滞留している場合、春先の蒸気負荷の少ないときトラップの作動頻度が少ないため、滞留ドレンが冷却します。長時間経過してトラップが作動するとドレンのフラッシュ蒸気(再蒸発蒸気)と冷却したドレンが接触しスチームハンマが発生します。
3. 蒸気の元弁を急に開けると蒸気が急速に流れ、凝縮してドレンになります。このドレンは急速に流れる蒸気に押され、ドレン(液体)の速度としては異常な高速度で流れ、配管の曲がりやバルブに衝突し、スチームハンマが発生します。

■対策のポイント■
個々の配管によって適切な対策が異なります。配管状況を明示してメーカにご相談ください。

Q10伸縮管継手の固定点の強度は、どのぐらいに設計すればよいのですか
A10伸縮管継手の反力は、メーカのカタログ等に表示されています。この反力に対して固定点は、十分な強度を有していることが必要です。十分な強度とは、固定点の材料・構造に対して十分な安全率を考慮するということです。通常、材料の引張り強さが、伸縮管継手の反力がかかったとして計算した固定点の応力の3倍以上あれば問題ありません。固定点の強度計算式によっては、材料の許容応力で判断するケースがあります。この場合は、許容応力に既に安全率が含まれていますので、さらに3倍以上の安全率を考慮する必要はありません。なお、耐震継手(免震継手)の場合、安全率は耐震設計に関する設計指針等に従います。

■対策のポイント■
固定点の構造は、配管と溶接するなどにより確実に行います。また、固定点のチャンネル等が長いと変形も考えられますので、チャンネル等の剛性も考慮して設計します。

警告伸縮管継手の破損トラブル(大切な配管の豆知識)

Q11鋳鉄(FC)製バルブの弁箱が割れたが、考えられる原因はありますか
A11鋳鉄の中でもねずみ鋳鉄(FC)は、脆(もろ)いため、次のような条件で破損することがあります。
1. 水用配管では、水の凍結によって内容積が膨張し、弁箱の強度が耐えられず割れることがあります。なお、材料を青銅や鋳鋼に変更しても、内部部品が変形し、作動不良となることがあり注意が必要です。
2. 蒸気配管では、スチームトラップの不良(内蔵ストレーナのごみ詰り、エレメントの破損など)によって、ドレンが配管やバルブの弁箱内に滞留するとスチームハンマが発生し、衝撃で弁箱がこわれることがあります。
3. 蒸気配管では、熱膨張によって伸びた配管の力が、弁箱にくり返し作用したり、2のスチームハンマと複合したりして、弁箱がこわれることがあります。

■対策のポイント■
1. 凍結する可能性のある水用配管は、水抜き、ヒータの巻付け、不凍弁の取付け等の対策を行います。
2. 蒸気用配管は、トラップの点検、伸縮管の取付け、弁箱材料の変更(鋳鋼等にする)を行います。

警告鋳鉄製バルブの破損トラブル(大切な配管の豆知識)

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